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この話の登場人物(?)はそれぞれ星座となって秋の夜空を飾っています。
王「ケフェウス」
→ 「ケフェウス座」
王妃「カシオペア」 → 「カシオペア座」
王女「アンドロメダ」 → 「アンドロメダ座」
勇者「ペルセウス」 → 「ペルセウス座」
天馬「ペガスス」 → 「ペガスス座」
海獣「ティアマト」 → 「くじら座」
英雄「ヘルクレス」
→ 「ヘルクレス座」
秋の夜空 「エチオピア王家の物語」
古代エチオピアの王「ケフェウス」と王妃「カシオペア」の間には、美しい娘「アンドロメダ」がいました。
「アンドロメダ」は大層美しい娘で、王妃「カシオペア」はそれを自慢していました。
ところが、ある日その自慢が高じて、
『「アンドロメダ」の美しさは、たとえ海の神ネレイスの娘「ネレイドス(ネレイスの娘達の意で、美人揃いだといわれています)」の誰一人といえども及ばないだろう』
と高言してしまいます。
神話の中で、神々を罵倒したり、卑下した者たちの末路は決まっています。
ここでも、その「カシオペア」の言葉を聞いた「ネレイドス」の進言に海の王「ポセイドン(彼の妻も「ネレイドス」の一人なのです)」は重い腰を上げると、王妃「カシオペア」の治める国に洪水を起こし、更には化けクジラ「ティアマト」を送り船や港を襲わせたのでした。
自らの言葉が招いた結果とはいえ、国中に禍が及んでしまいました。何とかしなければ国が滅んでしまいます。
そこで、この禍を何とかおさめようと、神託を受けたところ、
『この禍をおさめるには、王女「アンドロメダ」を生贄に捧げなければならない』
という答えが返ってきました。
人々にとって神託は絶対です。
泣く泣く王と王妃は「アンドロメダ」を岩場に鎖でつなぐと、生贄として捧げる事にしたのでした。
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所かわって、アルゴスの国。国王「アクリシオス」は娘「ダナエ」を儲けます。その後、子種がないので神託を受けたところ、
『娘「ダナエ」の息子は、将来祖父である国王を殺すであろう』
との答えを受けました。
それを恐れた「アクリシオス」でしたが、一人娘でもあり、殺す事も出来ません。仕方なく、青銅の塔に閉じ込めて何人も近づけないようにしたのでした。
ところが、その「ダナエ」の姿を天上から見初めたものがいました。大神「ゼウス」は黄金の雨となって「ダナエ」の下に訪れたのでした。
やがて懐妊し、子を産んだ事を知ると、「アクリシオス」は大変驚きました。その子が、自分を殺す事になるのですから、当然です。
しかし、一人娘と可愛い孫です。自らの手で殺すことも出来ず、二人を木の箱に入れると海へと流し、運命を任せたのでした。
やがてセリポス島に流れついた木箱は、島の王「ポリュデクテス」の弟「ディクテュス」によって助けられました。「ディクテュス」は二人の保護者として、やがてはその赤子「ペルセウス」も成人の日を迎える事となるのです。
～
舞台は再び古代エチオピア王国の海岸。
一人鎖につながれ、岩場に残された王女「アンドロメダ」。
荒れ狂う海から姿を現した海獣「ティアマト」。
「ティアマト」は、「アンドロメダ」を見つけると、一呑みにしてしまおうと岩場へとぐんぐん近づいてきます。
絶対絶命のその時...
天馬にまたがった勇者「ペルセウス」がその両者の間に割って入ったのです。
「ペルセウス」は島の王「ポリュデクテス」の命によって怪物「メドゥーサ」の首をとった帰り道でした。
ふと、眼下に見えた「アンドロメダ」の姿を見かけた「ペルセウス」は、王宮に行くと、王「ケフェウス」に「アンドロメダ」を助けるかわりに、彼女との結婚を承諾してもらっていたのでした。
「ペルセウス」は、腰に下げていた袋から出して「ティアマト」の前に「メドゥーサ」の首をかざしました。
生きている時には、その顔を見たものはたちまちの内に石となってしまうという「メドゥーサ」の首です。死後もその効力は生きており、「メドゥーサ」の首を見た「ティアマト」はたちまちの内に石と化して波間へと消えてしまったのでした。
こうして、王女「アンドロメダ」の危機を救った勇者「ペルセウス」は、約束通り彼女と結婚したのでした。
その後、エチオピアの王宮に戻っての「アンドロメダ」の元婚約者の襲撃や、島に帰っての「ポリュデクテス」を、その「メドゥーサ」の首で退けることに成功したのです。
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やがて妻「アンドロメダ」と母「ダナエ」を連れて、生まれ故郷であるアルゴスを訪れた「ペルセウス」でしたが、王「アクリシオス」は「ダナエ」の子が帰ってくるというので、恐れ、身を隠すのでした。
ところが、運命のいたずらは二人の再会を悲劇的なものへと導きました。
テッサリアで行われた運動競技会に出場した「ペルセウス」の放った円盤は、手元を狂わせて見物人の中へと飛び込んだのです。そして、それは一人の老人に直撃し、彼の命を奪ってしまったのです。その老人ことが、王「アクリシオス」だったのです。
その後の「ペルセウス」は祖父王の所領アルゴスを従弟の「メガペンテス」と交換し、ティリュンスに住まう事になります。その後は平穏な生活で、「アンドロメダ」との間に多くの娘や息子を儲けたといわれます。
かのギリシア最大の英雄「ヘルクレス」も、この「ペルセウス」と「アンドロメダ」の曾孫にあたるとされています。
秋の夜空をいろどる星座の多くは、このエチオピア王家の物語に登場しています。ちょっと趣向を変えて、一つの物語としてまとめてみました。
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