「エリダヌス座」 Eridanus(Eri)
一等星アケルナルは鹿児島からだとかろうじて見る事の出来る貴重な星です。冬の寒い頃、千貫平まで見に行った事が懐かしく思えます。
「オリオン座」の足元から南に向かって蛇行しながら星が連らなる星座です。
3～4等星のほぼ同じような明るさの星々が連なっている為、思ったよりは星空でたどりやすい星座です。
1番南の一等星「アケルナル」には川の果てという意味があり、日本では南九州以南でしか見る事が出来ません。
α星「アケルナル」
β星「クルサ」
γ星「ザウラク」
δ星「ラナ」
η星「アザー」
θ星「アカマル」
ο星「ベイド/ケイド」
τ星「アルゲンデナル」
エリダヌスは神話の中に登場する川で、川砂にはきらきらと黄金の琥珀が数限りなく埋もれているといわれています。
この川にまつわる神話としては以下のような話があります。
「パエトン」はある時、自分の父親が太陽神「ヘリオス」であると、友達に口外してしまい、仲間の少年達に冷笑されてしまいます。
それに恥じ入った「パエトン」は東の太陽の昇る国に行って、「ヘリオス」に尋ねる事にしました。
東へと進み、やがて「ヘリオス」の神殿にたどり着いた「パエトン」はそこで、「ヘリオス」に自分が本当に彼の子供であるかを尋ねました。「ヘリオス」は、「パエトン」を自分の息子だといい、その証拠に「パエトン」の願いを一つだけかなえてやろうと言いました。
それを受けて「パエトン」は、一日だけ「ヘリオス」の黄金の二輪車に乗りたいと答えました。
それを聞いた「ヘリオス」は、必死に思いとどまるように説得しようとしたものの、「パエトン」は聞こうとしません。結局、諦めた「ヘリオス」は、「パエトン」を黄金の二輪車に乗せる事を承諾したのでした。
黄金の二輪車は、「パエトン」を乗せて暁の女神が押し開けた東の門を出て空へと駆け登りました。
やがて、二輪車の御者がいつもと違うのに気付いた馬達は、てんで勝手に走り始めます。「パエトン」も必死に制止しようとするものの、ついにはいつもの道を踏み外してしまいました。
馬車が近づいたものは、片っ端から火を発し燃え上がりました。林や野原、多くの街が焼け、川も干上がってしまいました。この時に、エチオピア人の皮膚が黒くなり、サハラ砂漠が出来たともいわれています。
このままでは、世界が破滅してしまうと見た大神「ゼウス」は、自ら雷をもって「パエトン」目掛けて放ちました。馬車は打ち砕かれ、「パエトン」は燃えながらエリダヌス川へと落ちていったのでした。
「パエトン」の死を悲しんだ姉妹のヘリアデス(ヘリオスの娘達)はその死を悼んで川のほとりで泣き続けました。そしてそのまま嘆き続けた彼女たちの身はやがてポプラの樹となり、彼女たちの流した涙が川底に沈んで琥珀となったといわれています。
更新日 1999/09/25
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