Miku-nical「みくにかる」
ー幻想館ー
 
キサ貝比売と蛤貝比売 (きさがいひめとうむがいひめ)

大国主の命に様々な災難がふりかかります


因幡の白兎の言った通り、八上比売(やがみひめ)は大勢の神々に
「わたくしはあなたたちの言う事は聞きません。大国主の命と結婚しようと思います。」
と答えました。それを聞いた大勢の神々は怒り、大国主の命を殺そうと相談し、伯岐(ほうき)の国の手間の山本に行って
「この山には赤い猪がいる。私達が追い出すから、お前が待ち受けて捕えろ。もうそうしないと、きっとお前を殺してしまうだろう。」
と言うと、猪に似た大きな石を火で真っ赤に焼くと、転がし落としました。それを受け止めようとして大国主の命は死んでしまいました。そこで母の神が泣き悲しんで、天に上って神産巣日の神のもとに参りましたので、キサ貝比売と蛤貝比売とをやって生き返らせました。そして、キサ貝比売が掻きけずり集め、蛤貝比売がこれを受けて母の乳汁として塗ったので、立派な男になって出歩くようになったのでした。