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「
仲哀天皇-神功皇后- (じんぐうこうごう)
」
神功皇后は神の言葉に従って朝鮮半島に攻めていきます。
天皇が筑紫の香椎の宮にいて、熊襲の国を討とうとした時、天皇が琴を弾き、建内の宿禰が祭の庭で神のお告げを聞いていました。その時、皇后が神懸かりして、
「西の方に国があります。金銀をはじめ、輝くたくさんの宝物がその国に多くあります。私が、その国を授けよう。」
と言いました。そこで、天皇が
「高いところに登って見ても、国は見えない。ただ大海が広がっているだけだ。」
と答えて、嘘偽りをいう神だと思い、琴をひくのをやめてしまいました。すると、神様が大変怒り、
「すべてこの国はあなたの治めるべき国ではないのだ。あなたは一本道に進みなさい。」
と言いました。そこで、建内の宿禰が
「おそれ多いことです。やはり、琴を弾いて下さい。」
と言うので、再び弾き始めたところ、やがて琴の音が聞こえなくなってしまいました。そこで、火を灯して見てみると、既に亡くなっていました。
大変驚いて、大葬の宮に移し、更にその国内から大祓いして清めると、再び建内の宿禰が祭の庭にて神の言葉を聞いたところ、
「すべてこの国は皇后のお腹の中にいる御子の治めるべき国である。」
と言いました。
そこで、建内の宿禰が
「神様、恐れ多いのですが、その皇后のお腹の中にいる御子はどちらですか。」
と尋ねると、
「男の御子だ。」
と答えました。そこで更に、
「今、このように教えておられる神様は、何という神様ですか。」
と尋ねたところ、
「これは、天照大神の御心だ。また、底筒男、中筒男、上筒男の三神だ。今本当にあの国を求めようと思うのであれば、天地の神々、また山の神、海河の神たちを奉り、わたしを祭って、木の灰を瓢に入れ、また箸と皿とをたくさん作って、ことごとく大海に浮かべて渡るがよい。」
と答えました。
そこで、神様に教えられたとおりにして、軍隊を整えると、多くの船を並べて海を渡ると、海の中の魚達は大小となくすべて出てきて、船を背負って渡りました。順風が盛んに吹いて船は波のままに行きました。そして、新羅の国にやってきました。すると、その国王が恐れて、
「今から後は、天皇のご命令のままに馬飼として、天地のあらん限りお仕えしましょう。」
と言いました。このような次第で、新羅の国を馬飼と定めて、百済の国を船渡りの役所と定めました。
そして、杖を新羅の国主の門に突き立てると、住吉の大神の御魂を国を守る神として祭り、帰っていきました。
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