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葬儀の時に歌われる歌の由来を紹介しています。
また、倭建命と白鳥が結び付けられています。

ここに大和から妃や子供達が皆やってきて、陵を作りました。そして、そのほとりの田で泣き叫んだ時に歌いました。

なづきの 田の稲幹に、
稲幹に 蔓ひもとほろふ ところ葛。

すると、そこから大きな白鳥になって天に飛び上がると、浜に向かって飛んで行きましたので、妃や子供達は、篠竹の刈株に足を切り裂かれながらも、痛いのを忘れて泣く泣く追って行きました。その時に詠んだ歌です。

浅小竹原 腰なづむ。
虚空は行かず、足よ行くな。

また、その海の中に入って苦労して追い続けた時に歌った歌が、

海が行けば 腰なづむ。
大河原の 植草、
海がは いさよふ。

という歌です。さらに飛んで、磯にたどり着いた時に詠んだ歌です。

浜つ千鳥 浜よ行かず 磯伝ふ。

この四首の歌は、皆がその葬式の時に歌いました。それで、今でもその歌は天皇の葬式の時に歌うのです。
さらに、そこから飛び去ると、河内の志幾に留まりました。そこで、そこに陵を作って、鎮めました。
しかし、さらにそこから空を飛んで行ってしまいました。

この倭建命が諸国を平定するために廻っていた時に、久米の直の祖先の七拳脛(ななつかはぎ)という人がいつも料理人として仕えていました。